「フライボール革命」でHR量産 対抗手段は質の高いカーブ
「投手が投げるボールの回転数は重視する。特にカーブはね。彼らを獲得した理由は分かるだろ?」
アストロズのルーノウGMはニヤリと笑ってこう言った。「彼ら」とは昨年までの4年間で48勝したマクヒューや、昨年のワールドシリーズ第7戦で胴上げ投手になったモートンのことだ。
フライボール革命によって本塁打を打つ練習が可能に。本塁打を量産するようになった打者への対抗手段のひとつがカーブだと、ルーノウGMはみている。
一概には言えないものの、カーブの変化の度合いはボールの回転数に比例する傾向がある。そこで1分間にボールがどれだけ回転したのかを示す「rpm」と呼ばれる数値を参考に、より質の高いカーブを投げる投手を獲得したというのだ。
ルーノウGMが明かした戦略はデータ野球全盛の昨今、どの球団でも当たり前のように用いている。
MLBのデータ部門が開発した「スタットキャスト」は、メジャー30球団すべての球場にレーダーを設置、ボールの行方や回転数、選手の移動距離や速さなどを即時に数値化する。各チームは当然、それぞれの計測システムを所有していることになる。