フライボール革命によって本塁打を打つ練習が可能になった
昨年のワールドシリーズを制したアストロズのルーノウGMと話をしていると、泥臭く、型にはまった野球界に属する人物ではないような印象を受ける。
感覚的なものが支配しているように見える一つ一つのプレー――つまり速く投げる、強く打つ、速く走るなど――これらを数値化し、理論化し、どうすればそれらが可能になるのかを理路整然とした言葉で説明することは、実のところほとんどこの世界では行われてこなかった。
例えばルーノウGMが最も重要視しているというOPS(出塁率に長打率を加味した数字)に関してはこう言う。
「とにかく塁に出ることにプライオリティーを置くのであれば、バットにボールを当てることがうまい選手を集める。つまり三振の多い選手は放出し、そうでない選手でラインアップを固めることから始める」
かつてアストロズに在籍したラスマス(現オリオールズ)、バルブエナ(現エンゼルス)、カーター(現エンゼルスとマイナー契約)など、三振の多い選手を放出、そして青木(現ヤクルト)のようなバットに当てることがうまい選手を獲得するという。