粘投の松坂大輔を見殺し…貧打中日打線またも覇気なし
中日はまたも1点が遠かったが、この日の貧打は罪が重い。
移籍後2試合目の先発で注目された松坂大輔(37)は二回、先頭のロサリオに死球を与え、福留の右前打と糸原の犠飛で先制を許す。同点の四回には、自らの失策と四球などから無死満塁のピンチを招き、福留の併殺の間に三走の西岡が生還し勝ち越された。それでも「ノルマ」の6回100球はクリアし、七回も続投。2死満塁の場面では代打・上本を外角のスライダーで仕留めた。
抜け球や制球を大きく乱すことはあっても、ピンチに動じず、要所を締める投球術はさすが百戦錬磨の右腕だ。七回には左足を気にするそぶりを見せ、甘い球も増えた。そんな松坂に対しスタンドのファンは熱い声援を送り続けた。近年のナゴヤドームでは珍しい光景だった。
中日投手コーチも経験した高橋善正氏は松坂の今後についてこう語る。
「今の松坂は、かつてのように三振の山を築いて無失点投球を続ける必要はない。7回123球で4安打2失点なら先発として合格です。前回登板の巨人戦も勝ちにつながらなかった。先発投手にとって一番の良薬といわれる勝ち星がつけば、気持ちもボールも違ってくる。右肩に異常がなければ、松坂は100球をメドに先発ローテで使えると思う。問題は打線です。松坂が2、3点に抑えてゲームをつくりマウンドを降りても、それを上回るだけの点が取れるかどうか……」