先輩ダルにも焦り 大谷の“プラス思考”が生む見えない重圧
■カバーするメディアは激減
田中の置かれた状況や立場も複雑だ。昨年まで3年連続で務めた開幕投手とエースの座を、今季はセベリーノに譲って2番手扱い。NYメディアの扱いは以前ほどでなくなり、カバーする日本人メディアも激減した。
今回の大谷との対戦を前に「これだけ注目してもらえるのも、大谷の活躍があるから。僕も存在感を出せたら」とコメント。仮にもメジャーで4年連続2ケタ勝利右腕が殊勝に話す一方で、「本当に認められるのはシーズンを戦ってから」とルーキーをほめそやすメディアをチクリとやったのは何より大谷を意識しているからに他ならない。
本拠地での初対戦では2三振、1四球に封じてその存在をアピール。2日(日本時間3日)のオリオールズ戦では7勝目(2敗)をマークしたものの、現在の防御率は4.79。2日に3本塁打を浴びるなど1試合平均で5点近く取られているのは、大谷に対する過剰な意識がマイナスに作用した可能性もある。
大谷が海を渡るまで日本人メジャーリーガーの代表格だったダルと田中が、いまや刺し身のツマ扱い。大谷に注目が集まれば集まるほど、2人の今後が不安にもなるのだ。