暴力も見えない所で スポーツ界がますます陰湿になる理由

公開日: 更新日:

 昨年日刊ゲンダイは、ルポライターの岡邦行氏による「日本スポーツ殺人指導の実態」を連載熱中症で倒れた中学のラグビー部員が、顧問から水も与えられず「演技は通用せんで」と放置され息を引きとった事例などが大きな反響を呼んだ。

 なぜ、スポーツ指導者の心はこれほど歪んでしまったのか。スポーツファンで作家の吉川潮氏が言う。

「本来、人の上に立つべき政治家や経営者の多くは、人格や見識が問われるもの。最近は、その人格や見識は関係ない。根回し、人脈、カネなどでのしあがる。しかも、不祥事が起きても責任をとらない、責任が及ばない仕組みをつくる。モリカケ問題、財務省の公文書の改ざんを見てもよくわかる。上に立つ者といえば、日大加計学園の理事長が表舞台に出てこないのもヤクザの世界と同じ。こういう風潮が当たり前になれば、それが教育現場やスポーツ界にも及ぶものです」

 スポーツ庁の鈴木長官は選手強化を打ち出し、東京五輪で金30個を目指すというが、五輪で金メダルを取るより大事なことはある。スポーツの現場を早急に改革しなければこの「流れ」は止まらない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由