暴力も見えない所で スポーツ界がますます陰湿になる理由
悪質タックル問題で、日大アメフト部は今年度のシーズン終了まで公式試合の出場資格停止処分となった。今回の事件では選手が日常的にコーチから暴力を受けていた実態も明らかになった。日刊ゲンダイにも、日大アメフト部グラウンドの近隣住民から、「私の息子は去年、10人以上の部員に殴られて血だらけになっている選手を見たことがある」という電話があった。指導者が選手に「イジメ」を命じていたとすれば、これも大きな問題だ。
かつて日本は、指導者が人前で平気で鉄拳をふるったし、スパルタ指導は当たり前だった。
ところが、そんな古いやり方に対する批判の声が高まるにつれ、「指導法」を変えている。鉄拳指導をやめたのではない。千葉県の高校野球関係者は「県内北部の高校の元監督は、周囲から見えないように選手に円陣をつくらせ、その中心で選手を殴っていた」という。
事は暴力だけにとどまらない。自分のもとを離れた女子レスリングの伊調馨の練習を邪魔した日本レスリング協会の栄和人元強化本部長のパワハラもかなり陰湿だ。