飛距離コンプレックスの日本人のプロは海外で通用しない
ゴルフのオリンピックと言われる全米オープンに、今年は日本ツアーから秋吉翔太と星野陸也の2人が初出場した。しかし、会場のシネコックヒルズGCのタフな設定に翻弄され、星野は18オーバー、秋吉は19オーバーの大叩きで予選落ちした。
一方、全米女子オープンでも、国内賞金レースを独走中の鈴木愛が6オーバーとぶざまな予選落ちだった。
これまで池田勇太や宮里優作など、日本を代表するトップ選手が何度も海外メジャーに挑戦しているが、まったく歯が立たない。そして敗戦の弁で必ず口にするのが、「飛距離で太刀打ちできない。もっとパワーをつける必要がある」だった。
もしこれが事実だったら、体格で劣りボールが飛ばない日本人選手は永久に海外メジャーに勝つことはできないということになる。
■「もっとパワーが必要」は体にいい言い訳
だがこれは勝てない言い訳に過ぎない。欧米のプロは飛距離だけを武器に戦っているわけではないからだ。直近のデータを見ればよく分かる。現在、世界ランク(WR)1位のダスティン・ジョンソンのドライバー平均飛距離は310.8ヤード(10位)と確かに飛ばし屋ではあるのだが、それが必ずしも有利に働いているわけではない。