ユニクロの狙いは? フェデラーと“10年300億円契約”の意味
10年契約で推定300億円は、ナイキの3倍にあたる業界も仰天の大型契約だ。ユニクロは錦織の他に、昨年まではノバク・ジョコビッチと契約していた。それでも、テニス好きで知られる柳井正社長の念願は何を置いてもフェデラーだったという。ピークを過ぎたフェデラーとの“10年”は何を意味するのか。
ITF(国際テニス連盟)は2019年から男子国別対抗戦デ杯の改革を8月に決める。年間のホーム&アウェー方式を年末の固定大会に改めサッカーのW杯のようにしようというものだが、一方で、ATP(男子プロテニス協会)もオーストラリア協会と組んで2020年1月から全豪オープン前にワールド・チームカップ・テニスを開催すると発表している。
2カ月の間に国別団体戦が2大会も――実は昨年から、フェデラーを中心にしたレーバー・カップという団体戦も始まっている。ここに来て、テニスで団体戦が持ち上がっているのはなぜか。
現在のテニス界の活況は、ここ15年間に及ぶフェデラーとナダルの2強の存在によるものだった。2人はまだ現役バリバリというものの、ポスト2強に備え、テニス界が団体戦を打ち出し、そこでも、フェデラーの存在感は特別なものになる……ユニクロの狙いがそこの流れに沿っているのは間違いないだろう。