苦手の芝と若手の躍進…錦織圭を待つウィンブルドンの試練
テニスは芝のシーズンに入った。とはいえ、芝のサーフェスによる大会はウィンブルドンをメインにした4大会だけだから、シーズンと呼ぶほどではないかもしれない。
本来、テニスは芝の上で行われるゲームで、正式名はローンテニス。かつては土の上で行われてもローンテニスと呼ばれていた。コートの整備・維持が大変だから、大衆化に沿ってハードコートに移行したわけだが、今なおウィンブルドンは選手憧れの聖地である。
錦織圭は、グランドスラム4大会の中でこのウィンブルドンでの成績が一番良くない。通算13勝8敗で、ベスト8に届いていない大会はウィンブルドンだけ。
ちなみに一番成績がいいのはハードコートの全豪オープン(23勝8敗)だ。
■「ボールが下から入ってくる」
芝の特徴は2つある。まず、慣れないコートのため足元がおぼつかない。さらにカギになるのが、芝特有の打球。芝の葉の上でボールが滑るため、長身選手が思い切りたたき付けるボールを持ち上げるのは容易ではない。やっと返球してもサーバーがネットで待ち構える、サーブ&ボレーの舞台。