巨人メルセデス初登板初勝利 “激安年俸”でもチームに貢献
巨人に3連勝をもたらしたのは、去る8日に育成から支配下登録されたばかりの左腕・メルセデス(24)だった。10日のヤクルト戦に先発して5回を投げ、5安打無失点。188センチ、82キロの体躯から投げ下ろす角度ある速球とカーブ、スライダーを武器に、ヤクルト打線に的を絞らせなかった。
「非常にハッピーだ。とにかく四球を出さないことを意識しながらも、コースを突くことを忘れずに投げた。点を取ってくれた打線に感謝したい」
試合後のメルセデスはこう言って、笑みを浮かべた。米大リーグ、レイズ傘下のマイナーでプレーしていたが、昨年1月に巨人と育成契約を結び今年が2年目になる。
ドミニカ共和国出身で、年俸は550万円。支配下登録される以前は270万円、昨年は230万円だった。
母国には女房と子供もいるそうだから、いわばジャパニーズドリームを夢見て来日したクチだ。
巨人は年俸3億円のゲレーロ、2億3000万円のカミネロが不調で二軍落ち。山ほどカネもらってる助っ人がサッパリ働かず、自前で育てた安月給の苦労人がチームに勝利をもたらしたのだから、図らずも編成の稚拙さが露呈したというか、皮肉なもの――。