広島・菊池、ソフトバンク柳田も…地方の大学生を見逃すな
大学選手権と日米野球が終わり、先日のスカウト会議の話題は大学生が中心だった。
「配布したリストに載っていなくても、気になる選手がいたら名前を挙げてください」
エラいさんのひと言に肝を冷やしたのはオレだけじゃなかったはずだ。
なにしろ部長やエラいさんの部下たちは、遠慮ってものがない。人が担当する地区の選手をコソコソ見にきたりして、そんなにオレのことが信用できないのかってアタマにもくる。
で、内心、ビクビクしてたら、部長でもエラいさんの部下でもなく、エラいさん自身が声を上げた。しかも、オレが担当するある地方の野手だ。
「この選手、異常に打率や出塁率や長打率が高いんですけど、その割に他の球団は評価していないようです。どこか傷でもあるんでしょうか?」
こう言ってオレに水を向けてきた。データ好きというか、パソコンおたくのエラいさんらしいと思ったから、言ってやったよ。
「あの地区はレベルが低いですからね。ヘボピッチャー相手にいくら打ったところで、評価の対象にはなりませんよ。それにアイツは性格がチャランポラン……」と、ここまで言ったところで横やりが入った。エラいさんじゃない。部長だよ。