日本ボクシング連盟を糾弾 JOCに送られた「告発状」の中身
添付資料を含めて170ページにも及ぶ今回の告発状には「強化費の不正流用」「審判への不当な圧力と試合結果の操作」を合わせて、実に12もの告発事実が列挙。「試合用グローブ等の不透明な独占販売」「山根会長の会長就任に介在した暴行疑惑」「大会費に関する不正な財務運営」など、看過しがたい疑惑がゾロゾロで、山根会長と連盟幹部による日常的な賭け麻雀の実態にも触れられている。
告発した同会の代理人を務める戸田裕典弁護士がこう言う。
「これまで再三にわたり、連盟に対して改善要求を行ってきましたが、誠意ある回答がなされなかった。告発人が各都道府県ボクシング連盟に山根会長に対する退会要求書を送付すると、連盟はそれを『中傷文書』とし、退会要求書に対する回答内容によっては厳しい責任を伴うと警告するなど、脅しとも取れる行動に出ている。連盟の自浄能力に期待できないのは明らかです。審判への不当な圧力と試合結果の操作に関しては、人生をかけて競技に打ち込む選手への冒涜以外の何物でもありません」
まったくだ。
ボクシングは2020年に控える東京五輪の実施競技から除外される可能性がある。国際オリンピック委員会(IOC)が国際ボクシング協会の財政面の不透明さや審判の選任方法に問題があるとし、今月19日のIOC理事会でも東京五輪での競技実施については継続審議とされた。そこへ開催国の日本連盟も数々の疑惑を取り沙汰される事態。今回の告発状には各都道府県連盟の関係者や大学、高体連関係者、元五輪代表選手ら333人が告発者として名を連ねている。山根会長および連盟の対応によっては、ボクシングは五輪競技除外へまっしぐらである。