東京五輪開幕まで2年 “酷暑マラソン”に不参加続出の懸念

公開日: 更新日:

 日本列島はこの夏、「命に危険が及ぶ暑さ」が続いている。東京都心で5年ぶりに38度を超えた昨23日は青梅で40.8度。都内で40度以上を観測したのは初である。埼玉・熊谷ではついに、国内観測史上最高の41.1度に達した。各地で熱中症による死亡者が相次ぐ異常な事態である。

 BBCやワシントンポスト、ロイター通信などが、この殺人的な暑さを海外に伝え、きょうでちょうど2年後に迫った東京五輪(7月24日~8月9日)を目指すアスリートたちが恐怖心を抱き始めている。想像を絶する暑さに関する情報をインターネットなどで収集しているそうだが、それも当然だろう。

 例えば、マラソンや競歩、トライアスロンなどの屋外競技の選手にとって、気温30度以上、湿度80%前後でのレースは命懸けといっても過言ではない。日本陸連強化委員長や専務理事、副会長を歴任した澤木啓祐氏(順大大学院スポーツ健康科学研究科特任教授)は、本紙にこう語っていた。

「リオ五輪を見ていて、8月の東京でマラソンや50キロ競歩をやったらどうなるのかということを考えました。死者は出なくても体へのダメージが大きく、競技生活に支障を来すことはあるかもしれない。例えば1995年8月の福岡ユニバーシアード大会のマラソンは気温29度、湿度90%、無風という条件で行われ、完走率は男子55%、女子70%でした。この結果、次のユニバーシアード大会から、ハーフマラソンに種目変更がなされた。95年の大会で病院に担ぎ込まれた選手は2リットルの点滴を受けて1日入院。退院後に聞いたのですが、レース中は湿度が非常に高く、体表の水分がまったく蒸発しないと言ってました」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  4. 4

    フジテレビ労組80人から500人に爆増で労働環境改善なるか? 井上清華アナは23年10月に体調不良で7日連続欠席の激務

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    露木茂アナウンス部長は言い放った「ブスは採りません」…美人ばかり集めたフジテレビの盛者必衰

  2. 7

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も

  3. 8

    和田アキ子戦々恐々…カンニング竹山が「ご意見番」下剋上

  4. 9

    紀香&愛之助に生島ヒロシが助言 夫婦円満の秘訣は下半身

  5. 10

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係