3敗でも“金”&箱モノ行政に利用…東京五輪野球に価値は?
「これで何が金メダルなのか。ふざけるなと言いたいですね」
先日、正式に決定した20年東京五輪の野球、ソフトボールの大会方式について、スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は怒りを込めてこう言った。
この方式は3カ国ずつ2組が1次リーグで総当たり戦を行った後に、10試合の変則的な決勝トーナメントを行うというものだが、問題は金メダルまでの道のりだ。1次から5戦全勝すれば金メダルとなる一方で、1次で2戦全敗して3位に終わってもなお、金の可能性は残る。敗者復活戦が多く組まれたことで、最高7試合で4勝3敗でも金メダルが取れるのだ。
過去の五輪は地区予選を勝ち抜いた8カ国が出場。総当たりの予選を行い、上位4カ国が決勝トーナメントに進出していた。事実上、1次リーグの勝敗が度外視される大会の金メダルにどれほどの価値があるというのか。
この日、日本戦初戦が行われる福島を視察した稲葉代表監督は「米国で頑張っている選手が来てくれたら」と話していたが、そもそも6カ国しか出場せず、MLBが見向きもしない五輪でメジャーリーガーの参加は絶望的。さらにこの大会方式が競技の値打ちをいよいよ下げていると言わざるを得ない。