二刀流がゆえの弊害…DH・代打の大谷は“潰し利かない”選手
「それでもエンゼルスは今後も大谷を使わざるを得ないでしょう」とスポーツライターの友成那智氏がこう言った。
「もはやプレーオフ進出は絶望的。チームは完全に再建モードに入っています。本来ならトレードで若手有望株を獲得したり、マイナーから若手を引き上げて来季に向けたテストをしたりするのですが、エンゼルスには他球団が欲しがる主力選手も、マイナーの若手有望株もいない。かといって、特に野手はトウの立ったベテランの高給取りが多く、オフに大金をつぎ込んだ補強も期待できません。つまり現有戦力でやりくりする以外にないのです。中でも先発のリチャーズ、ラミレス、シューメーカーは故障で来年の前半戦まで投げられないため、大谷には来季、開幕からエースとして投げてもらう必要がある。数少ない若手野手としても貴重な存在なのです。なので今季は肘の負担を考慮して投げさせず、打者として5番に加えて2番も打たせて適性を見ているのでしょう」
これがワールドシリーズ制覇を目指す強豪ならともかく、いまのエンゼルスはそうではない。どんなに使い勝手が悪くても、大谷の二刀流を脅かす選手はいないし、今後も加入しそうにない。打つだけの選手としては数字が物足りなくても、首脳陣は大谷に頼る以外にないのだ。大谷は入ったチームに恵まれたということか。