ボクシング連盟山根会長をドンへと変えた日大との“深い縁”
当時を知る日大OBの現役審判は「あの頃の山根会長は今のように威張り散らすこともなかった」と言うが、連盟の会長職に就くや暴君さながら。試合用の公式グローブを1社に独占させた上に市場価格より2~3割増しで販売させ、代金の振込先を親族の口座にしていた事実をとがめられた際は、「それの何が悪い!」と開き直る始末だ。連盟幹部もすっかり萎縮し、ドンの怒りを買わないようにと忖度することしきり。日大の田中理事長以上の恐怖政治を敷いていた。
その最たる例が、各県の連盟で共有されている「おもてなしリスト」だろう。実に38項目からなる注意事項は、そのすべてが大会の視察に来る会長の飲食に関すること。ホテルの部屋には「ミネラルウオーターを1ケース用意し、6本は冷蔵庫へ」から始まり、みかん1ネット、リンゴやブドウは銘柄指定の上に「高級品」との注釈までついている。他にも肉は和牛しか食べず、ハンバーグは合いびき肉もダメ、タイやマグロは食べるがウナギやアナゴは好まず、目玉焼きは「外はカリカリ、中は半熟」と焼き方までご丁寧に書いてある。粗相があればそれだけの仕打ちが待っているからだ。関係者は機嫌を損ねないようにハンバーグの肉質まで気を使う。まるで子分に揉み手をされるヤクザの親分さながらだ。