金足農元監督が激白「吉田は『八戸にお世話に』と言った」
――かなりの頻度で見てもらったのですか。
「八戸学院大の野球部は火曜が練習休み。なので毎週というわけではありませんが、主に火曜日に八戸から秋田まで車で片道4時間かけて教えに来てくれました。八戸学院大は春のリーグ戦で(大学選手権の行われる)神宮まであと一歩のところまで行った。わたしは正村監督にチームを優先してくださいと言ったのですが、秋田で夏の県大会が始まる前は2~3日来てもらったこともあります」
――吉田は正村監督の指導があって成長したと。
「見てもらってスライダーがキレるようになったことで三振が取れるようになり、投球の幅もグンと広がった。ピンチでもマウンドで動じなくなった。選手にとって自分に合う指導者と出会うことは本当に大切だと思いました」
――秋田予選の前、プロ野球の東北担当スカウトは、金足農の中泉監督から「吉田は八戸学院大へ進学する」と告げられたそうです。なぜ、進学なのですか? プロは考えなかったのですか?
「わたしの教え子が何人かプロに入りました。直接、プロに行った子もいれば、大学、社会人を経てプロに行った子もいます。吉田にはこの選手はこう、この選手はこうと説明しました。ただ、いまの時代、大学は出た方が後々、よいのではないかと。プロ野球選手で何十年も活躍する選手は少ない。野球をやめた後の人生の方が長いわけです。その後の人生を考えると、やはり大学は出た方がよいという話は、吉田にしました。(大学で)4年間、やってからでも(プロ入りは)遅くはないと。高卒と大卒では(プロでの)給料も違いますし」