「ボラ申し込まなければいい」発言 IOCコーツの正体とカネ
国際オリンピック委員会(IOC)と東京五輪大会組織委員会が準備状況を確認する会合が、12日、東京都内で2日間の日程を終えた。
会合後に記者会見を行ったIOCのジョン・コーツ調整委員長(68)は、批判の声が出ている五輪の“ブラックボランティア”について、「IOCに集まる60億ドルから手当を支払ってはどうか」と記者から聞かれた際、「ボランティアはボランティアだ。やりたくなければ申し込まなければよい」と回答。「(猛暑対策について)サマータイムの導入は非常に良い解決策のように思える」とも言い、欧州で廃止が決定したサマータイムについて積極的な姿勢を見せるなど、トンデモ発言を連発した。
実はこのコーツ氏、地元のオーストラリアでは、“豪五輪委員会のドン”として有名だ。もともとはボート競技選手で、弁護士資格も持つコーツ氏。1990年に豪五輪委員会の会長に就任してから、28年にわたって会長職に居座り続け、ボート競技場に自分の名前を付けるなどやりたい放題。
豪「ザ・ニューデーリー」紙が2年前に報じた内容によると、コーツ氏の2015年の豪五輪委員会での役員報酬は約5555万円で、16年間で、コンサルタント報酬や手当として計約5億7000万円が支払われたという。同紙は「2000年以降オリンピックでの成果が一貫して低下しているにもかかわらず、経営トップに集まる報酬は急増している。豪五輪委員会で会長を務めるコーツ氏は、16年にわたって個人的な利益を得てきた」とコーツ氏を批判していた。
結局、頭にあるのは自分のカネ。選手やボランティアスタッフのことは二の次なのだろう。