広島は黄金時代へ 前編成グループ長が明かすドラフト秘話
カープはなるべく有望選手のポジションが重ならないチーム編成を心がけています。選手の年齢、在籍年数、FA権取得はいつなのか。今は主力でも5年先はいないかもしれない。オーナーは「常に最悪の状況を考えろ」「5年先を考えろ」と指示されています。
最終的な決め手は性格です。高校生などアマチュア選手の練習を見る時に参考にするのは「ベースランニング」。プロのスカウトが見ていれば誰だって真面目に練習します。だから遠目からこっそり見る。監督がいない時にチンタラ手を抜いて走っていたらアウト。そういう選手は恐らくプロで伸びません。
例えば誠也はどんな時でも一塁まで全力で走っていた。投手は投球に影響が出ると思い、なかなかできないものなんです。走塁も一生懸命過ぎてケガするぞ、と逆にヒヤヒヤしたくらい。そういう闘志や体の強さなども、思い切って2位に上げた理由です。 (談)
◆川端順(かわばた・じゅん) 1960年3月19日、徳島県出身の58歳。鳴門高から法大、東芝を経て83年ドラフト1位で広島入り。3回のリーグ優勝に貢献。93~05年に投手コーチ。その後フロント入りし、08~17年には編成グループ長。今年4月から出身地の徳島で岡田企画(株)が運営するOKスポーツクラブのコーチを務める。徳島県の中学、高校野球の技術指導員。大学、企業への講演活動も行っている。