孤独なリハビリ生活ゆえ…エ軍大谷を悩ます“焦りと錯覚”
「TJ手術を受けた選手の大半は、地味なメニューの繰り返しに音を上げてしまいます。スローイングプログラムに移行してからも『早く実戦で投げたい』と焦りが生じ、定められた球数以上に投げ込んでしまい、痛みや違和感を訴える投手もいます。TJ手術からの復帰が遅れたり、後に2度、3度とメスを入れる投手がいるのは、執刀医の技術不足などではなく、順序立てて、きちんとリハビリをこなさなかったのが原因なのです」
メジャーの投手でも復帰を焦るあまり、遠回りするケースは少なくない。ある日本人投手は患部の状態が良かったため、リハビリメニューを飛ばして、勝手に投げ込みを開始。結果として復帰は大幅に遅れた上に、数年後には肩にもメスを入れたという。
大谷は来季、打撃の調子が良ければ、患部の状態も回復したと錯覚しかねない。左打ちの大谷は打つ際に右肘の負担が少ないだけに、なおさらだ。
「そもそもリハビリが順調に進むケースなど、ほとんどありません。大谷選手はリハビリの重要性を肝に銘じ、辛抱強くプログラムに取り組むべきです」(深澤氏)
一に辛抱、二に辛抱だ。