ガンバレ~! “子ども神輿”の稀勢の里ク~ン
「そいでもフ~フ~息切らして座り込んじゃあ、方々でサイダーやらラムネ飲まされたりしてな」
「酒じゃねえのか?」
「稀勢クン酒飲めないだろ、子どもだから」
「ホラ稀勢クン大丈夫? なんて、あっちこっちで汗だくになって座り込んじゃごくごく飲んで、サイダー腹がゲボゲボに膨らんで、さあ鳥居に入るぞって頃に、ウッて腹が痛くなって、家に帰っちゃうんだ」
「あらぁ、稀勢クンはどうした?」
「なんか帰って寝るって言ってたよ~」
「あいつ必ず途中で具合悪くなるんだよな」
「ん~で、最初のうちは治ったかぁ? なんて様子を見に行く友だちもいるんだが、部屋で布団かぶってじっと返事しないんで張り合いがなくなって、だれも来なくなった頃見計らって、もそもそ布団から顔出して、だれかが見舞い代わりに置いてった台湾バナナむいてむしゃむしゃ食って、むほ~っと笑って言うんだ。……次のお祭りでがんばろう」
「言った途端にまた、腹下すんだ。バナナは腹通りが早いからな」
「いっぺんも最後まで子ども神輿を担いだことがない稀勢クン……」
「来年も担ぐのかなあ?」