金銭より年数で…FA浅村の楽天入りは“ゆとり世代”ならでは
「ソフトバンク4年28億円」
「西武4年20億円」
「楽天4年20億円超」
「オリックス4年20億円前後」
スポーツ紙に躍る数字では圧勝だったはずのソフトバンクが負けた。
FA権を行使した西武の浅村栄斗(28)が楽天移籍を決断。19日に交渉をせずしてオリックスを蹴り、20日には西武、ソフトバンクに断りを入れた。ソフトバンクは「ゴジラ&大魔神超え」という破格の提示をしたが、それでも、浅村が新天地として選んだのは「2番手」楽天。西武時代にチームメートだった石井一久GM、西武からFA移籍し、浅村が権利取得時に相談相手となった岸ら、旧知の人たちがいることが決め手のひとつになったという。
浅村は1990年生まれ。いわゆる「ゆとり世代」に属する。ビジネスコンサルタントの菅野宏三氏がこう言う。
「人脈で球団を選択するのは、居心地の良い環境を重視したからでしょう。この世代は父親や母親から大事に育てられてきた年代。スポーツをする子供はお金がかかりますが、そこにお金をかけられる、比較的リッチな家庭が多かった。ゆえに、昭和のアスリートにあったようなハングリーさは少なく、恵まれた環境が当たり前という状況で育ってきました。昭和世代の選手に比べれば、『裸一貫、見知らぬ土地で少しでも多くのお金を稼いでやる!』という気概は少ないといえます」