メジャーに“キューバルート”が 日本人予備軍で割食うのは
「日本人選手、特に野手は打撃を受ける可能性が高い。野手で重視される長打力に関していえば大谷は例外で、日本を代表するスラッガーだった松井秀喜ですら年間30本が精いっぱい。メジャーの長距離打者の指標でもある40本を打つことはできなかった。しかも、ピークを過ぎてからのメジャー挑戦になるケースが多い。そこへいくとキューバの野手はパワーがありますからね。これまでキューバ選手の契約金や年俸が異常に膨れ上がったのは希少価値に加え、選手と球団の間に介在する代理人が膨大な仲介料を搾取していたからです。けれども、正規のルートができれば、それがなくなる。若くて伸びシロがあって長打力を備えた選手を、しかも安く手に入れることができるようになるわけですから」
つまり筒香(27=DeNA)や山田(26=ヤクルト)ら、メジャー予備軍といわれる連中は割を食うことになる。
投手にしても、キューバには好素材が多い。指導者に恵まれていないだけで、マイナーの育成プログラムを経れば、170キロ左腕のチャップマン(30=ヤンキース)クラスになる逸材がゴロゴロしているともっぱら。「日本人投手は即戦力を求めるメジャー球団に需要はあるかもしれませんが、伸びシロを期待するチームはキューバの選手を欲しがると思う」とは前出の鈴村氏だ。