ジャンプ小林陵侑は心技体が成長 快進撃のウラに“脱葛西”
ノルディックスキー男子ジャンプのW杯で総合首位に立つ小林陵侑(22)が24日、W杯札幌大会(26日開幕=大倉山ジャンプ競技場)を控え会見した。
今季は伝統のジャンプ週間での4戦全勝を含むW杯9勝をマーク。好調の要因について「一番は心が成長した。体もトレーニングで良くなっている。最後に技術が体についてきた」と話した。
心技体全て備わったことが結果に結び付いたとしているが、今季の大躍進はレジェンドこと葛西紀明(46)頼みからの脱却にもある。
平昌五輪後、先のW杯ポーランド大会で初の表彰台に立った佐藤幸椰(23)らの若手とともに、今後の目標などについて話し合った。2022年北京五輪団体でのメダル獲得を目指すことなどを確認し合い、葛西超えも誓った。
小林とともに北京五輪代表入りが期待される佐藤によれば「現状では国内の選手層が薄い。陵侑(小林)ら僕ら若手がレベルアップを図らないと、男子ジャンプは世界と戦えないと話した」という。
これまで若手は個人主義者が揃い、お互いに干渉しなかったが、今季は日頃の練習はもちろん、各大会ごとに他の選手の飛躍をチェック。若手同士でジャンプ台の特性を共有したり、気付いたことを助言し合っている。葛西に頼らずに、若手だけで技術的なことを確認するなど、チームとしての一体感が芽生えている。
札幌大会までの成績を基に、世界選手権(2~3月=オーストリア)代表5人が決まる。今季30位が最高の葛西の代表入りは絶望的だ。
小林を中心とした新星日の丸飛行隊は、葛西のいない世界選手権で真価が問われる。