玉鷲15年休場知らず 鉄人の秘訣は「まわし」より「押し」
「できるところまでやりたい。40歳を越えてもやりたいです」
大言壮語どころか、その可能性も大いにありうる。
28日に玉鷲(34)が優勝一夜明け会見を行い、「今でも信じられない」と自身の初Vに相好を崩した。
それにしても驚くべきは、2004年の初土俵以降、一度も休場がないことだ。15年間で積み上げた通算1151回の連続出場記録は、青葉城(22年、1630回)に次ぐ歴代2位。よほど体が強いのか。
ある親方が言う。
「前に出る押し相撲に徹していることが一番大きい。四つ相撲の力士は無理な体勢から強引に投げを打ち、自身の足腰を痛めることが少なくない。玉鷲はそもそもまわしを取らないので、その心配がない。スポーツ未経験で大相撲の世界に入ったことで、他競技の癖がなく、師匠に教わった押し相撲の技術を素直に吸収できたこともプラスだ」
もっとも、玉鷲の休場知らずは精神面によるところも大きい。前出の親方は「以前、片男波さん(元関脇玉春日)に聞いた話だが……」と、こう続ける。