1日3力士が車いす…大相撲の故障多発は“巨大化”に原因あり

公開日: 更新日:

「あー! クソ! いってえ……」

 悲痛な叫びが国技館の通路に響いた。

 1敗の千代の国(28)が22日の勢戦で左ヒザを負傷。土俵際で相手の攻めをこらえようとするも、無理に曲げた左ヒザに大きく負担がかかったのだろう。勢に押し倒されると、苦悶の表情のまま、しばらくその場から起き上がれず。車いすに乗せられて花道を下がっていった。

 その直後には琴勇輝(27)が土俵下に落ちた際に足を痛めたのか、こちらも車いすで退場。この日は幕下の宇良(26)も古傷の右ヒザを負傷し、車いすに乗せられた。

 相撲にケガは付きものとはいえ、1日で3人の力士が車いすの助けを借りなければならないとは、異常事態といえる。

 ある角界OBは「今の相撲では無理もない」と、こう話す。

「昔に比べて、今の力士はみんな横にデカい(現在、幕内の平均体重は過去最高の166.2キロ)。適正体重を超えて太っているから、足腰にも多大な負担がかかる。普段の稽古量も昔に比べてどうしても少なくなる。かといって体重を抑えたら抑えたで、周りの力士はみんなデカいから力負けしてしまう。太れば確かにパワーや圧力は増すが、多彩な技は減るし、簡単な引き技ですぐに落ちてしまう。今の大相撲はいわゆる悪循環に陥っている」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇