球界屈指の技巧派・金子千尋のチェンジアップを試すも挫折
日本ハム 藤岡貴裕(投手・8年目・29歳)
昨季途中にロッテからトレードで加入した左腕の藤岡貴裕(29)。今季から日本ハムへ移籍してきた金子千尋(35)の凄みをこう語る。
「金子さんは体の使い方がうまくて、変化球もたくさん持っている。著書の『変化球バイブル』を読んだり、投球動画を見ていて、すべての球種が凄いのですが、僕が一番だと思うのは、チェンジアップですね」
金子といえば、七色の変化球を操る球界屈指の技巧派右腕だ。
「金子さんのチェンジアップは打者がここだと思ってバットを振っても、え? まだ来ないの? という感じ。球が来ないんです。ストレートのスピードを殺したようなイメージ。ストレートに近い腕の振りで、なおかつ球の出どころも見づらいのもあるのでしょう」
藤岡自身、金子流チェンジアップに取り組んだことがある。
「金子さんの握りを試したことがありましたが、僕には無理でした(苦笑い)。チェンジアップというのは、投手それぞれの握り方があります。ストレートのように指にかけて投げたり、挟んでみたり。金子さんは、中指と薬指を縫い目にかけて投げる。親指は中指の真下にくる感じです。通常、人さし指と中指にかけることで一番、ボールに力が伝わるものですが、金子さんの投げ方はそれだけでも特殊です。僕は、人さし指と中指にかけて、チェンジアップを投げています。まさか同じチームでプレーすることになるとは思ってもみなかったので、チャンスがあれば、いろいろお話ができたらと思います」