御嶽海に5連敗…貴景勝がさらけ出した「押し相撲」の弱点
まるで歯が立たなかった。
圧倒的なパワーで初日から2連勝の貴景勝(22)が、12日は何もできずに土俵を割った。
相手は対戦成績3勝6敗、目下、4連敗中と苦手にしている御嶽海(26)。立ち合いで得意のぶちかましを受けられると、もろ差しを許し、あっけなく寄り切られた。
御嶽海いわく、「先に向こうが手をついたから」と立ち合いの意図を説明。最初の当たりで下がるのを防ぎ、貴景勝の出はなをくじいたというわけだ。
ある親方は「これを貴景勝の弱点とか死角というのはかわいそうだが……」と、こう続ける。
「ぶちかましは対戦相手との間に空間をつくってこそ。相手をはじき飛ばせば距離が生まれるが、こらえられると空間をつくるために自分が下がるか、突っ張りで相手を押すしかない。突っ張りだと脇があくため、そこを御嶽海に狙われ、ふところにもぐりこまれたということです。まずは守りを固めて、という御嶽海の術中にハマってしまった。
もちろん、貴景勝には相手の攻めをいなす技術もあるし、そもそも並大抵の力士ではあの圧力は止められない。それでも、この日の御嶽海の相撲は他の力士にとっても参考になるのではないか」
対御嶽海戦の連敗が5に伸びた貴景勝。すんなり大関昇進とは、いきそうもない。