広陵・中井哲之監督が語る「指導歴35年」の秘訣と指導方針
「『若い時と今と、同じことを言っている』と教え子が言ってくれる。勝つためだけなら、高校の選択肢はたくさんある。今の子なら、自由気ままとまでは言わんでも、褒めてさすって、その気にさせとった方がよう動くでしょう。大人の世界は好き嫌いは関係なく付き合わないといけないが、好き嫌いで判断するのは子どもの“特権”なんです。なので、この人に怒られるならしょうがない、怖いじゃなく、信頼される存在でないと」
――そのためにどんな言葉を?
「入学を希望する中学生には『親が好きか?』と聞く。『一番大事な存在である親にきちんと挨拶せえよ、そしたら親は野球をさせてよかった、この学校に預けてよかったと思ってくれるんだぞ』と。高校に行って野球ができるということは、親御さんが何かを我慢している。何万円もする洋服を買わず量販店のにしたり。そういうことは中学生にはわからない。保護者とは? 年に1回の保護者会以外は接しない。利害関係があるから僕が勘違いされるし、子どももかわいそうです」
――勝利至上主義の学校とは一線を引いていると。