サイン盗み告発で指導禁止 星稜・林監督だけが悪者なのか
これで一件落着とはいかない。
15日、センバツ出場校の星稜・林和成監督(43)が同校から懲戒処分を受け、6月4日まで指導禁止となった。その後の復帰については未定。20日からの春季石川大会は山下部長が指揮を執る。
林監督はセンバツ時に2回戦で対戦した習志野がサイン盗みを働いていることを報道陣に“告発”。同校の小林監督のもとへ怒鳴り込み抗議していた。この一連の行動に対し、星稜には批判の声が殺到。学校の許可なく週刊誌にコメントしたこともあり、指導を自粛していた。関係者によると、学内では林監督の更迭論も浮上したという。
確かに林監督の行動には行き過ぎたところがあったかもしれない。しかし、「サイン盗みは悪」と言う林監督の考え方は全くもって正論だ。そもそも罰せられるべきはルールを破った“犯人”ではないのか。高校野球に詳しいジャーナリストの田尻賢誉氏が言う。
「昨今の高校野球は強豪校が弱い学校のサインを盗み、ボロ勝ちして喜んでいるケースもある。林監督には正義感があり、誰かが声を上げないとサイン盗みがなくならないという思いがあったはず。せっかく世間がサイン盗みに関心を持ったというのに、声を上げた人だけが悪者になったら誰も正しいことを言えなくなります」