星稜・奥川恭伸を直撃 そして証言から見えた“怪物の本性”
奥川に行きたいプロ球団について尋ねると、「行けるならどこでも行きたいです」とのこと。まずは夏の甲子園に向けて、さらに磨きをかけていく。
■プロの目は?
奥川はプロ垂涎(すいぜん)の的。今月のU18合宿で高校最速163キロをマークした佐々木朗希の存在がクローズアップされたものの、高い評価は揺るぎない。
巨人はセンバツ時、2回戦の習志野戦を全スカウトでチェックした。プロが視察するのは基本的に1回戦だけ。異例といっていい。
長谷川スカウト部長は「大学、社会人と横並びにして評価できる力がある。制球力、投球の組み立て、テクニック。何より抜け球ではなく、ストライクゾーンの球が生きていることが素晴らしい。腕の使い方、上半身の柔らかさは、前田健太(現ドジャース)に近いといってもいい。高校生ではなかなかいない。春の段階で1位の評価。1位じゃないと取れないと思います」。
さらに、日本ハムの山田スカウト顧問はこう評価した。
「あのスライダーは天性のもの。打者の手元に来て曲がる。これは、速いストレートを投げることに似て、意識して投げることは難しいものです」
奥川を巡ってはステップ幅が小さく、重心が高いという指摘もあるが、同顧問は「彼の場合は体の回転をうまく使い、下半身から上半身へ体重移動ができている。これだと肩、肘への負担はあまりこないと思います」と言う。