日ハム吉田輝星 6月甲子園デビューを決定づけた魔球の正体
■速球を投げるイメージ
この“魔球”について、吉田本人は「スライダー? はい。前回(4月29日のDeNA戦)の登板を終えてから、短い距離で投げる練習を始めました」と、こう明かした。
「カウントを取れたり、決め球にも使えると思った。これまでは曲げたいという意識が強く、曲がりが大きくないと不安だったが、握りだけ少しずらして、ストレートのイメージで投げることを繰り返していた。自分にはストレートの印象が強いこともあるとは思いますけど、打者がいったん、バットを引いてから踏み出してきたり、違うところを振ったり、全然、自分の持っていたイメージとは反応が違った。コーチと話しても『打者から見たらストレートと同じ軌道から来た方が嫌だ』という。僕自身が描いていた理想とは違った。曲げる意識はなくても、いいボールが投げられていると思うし、引き続き練習をしていきたいです」
吉田は高校時代から、“高速スライダー”を投げていた。新人合同自主トレやキャンプ中に投げたことはあったが、オープン戦からはストレートの精度を昨夏の甲子園の良い状態に戻すことを最優先とし、これをいったん封印。前回のDeNA戦で、公式戦6試合目にして初めて4イニングを投げ、4安打4三振で無失点に抑えたことで解禁し、さらに改良を加えたという。