日ハム吉田輝星 6月甲子園デビューを決定づけた魔球の正体
加藤投手コーチが「スライダーに進歩が見られたのが良かった。登板ごとに目に見えて良くなっている」と言えば、荒木二軍監督も「スライダーの感じは良かった。いい方向に行っている。試合で多く使えばボール自体も良くなっていくんだろうけど、まずはストレートの質を上げることが先。ただ、ストレートもだいぶ良い時の状態に近づいている」と話した。チーム内では「ストレート自体、荒れる感じはなくなりつつあり、回転数が多く、奇麗なスピンがかかる確率が高くなってきた。質は上がっている」との声もある。調子は着実に上向いているようだ。
■根尾と同評価だった理由
そうなると、いよいよ一軍デビューが現実味を帯びてくる。球団は5月から6月にかけての一軍デビューを想定し、育成を進めてきたといわれている。さる日本ハムOBがこう言う。
「栗山監督は昨年のドラフトで吉田を指名した直後、『(1位入札だった)根尾と吉田の評価は一緒だった。どっちでいくか、4時間以上の会議で最後まで詰めた』と明かした。吉田を高く評価したのは、リリースポイントが低く、ベース板の上でグーッと浮き上がるように見えるストレート以上に、速く鋭く横に滑るように曲がるスライダーに光るものがあったからです。このスライダーはプロでも通用するという判断が大きかった。ここにきてストレートは低めの球でもキレが出てきた。今後の登板でスライダーの割合を徐々に増やし、投球に幅を持たせることができれば、一軍昇格という流れになります」