<下>サッカーIQの高さは「スペシャルな選手」の証し
18年はJ1での出場機会を求め、横浜F・マリノスへ期限付き移籍を決断した。
そして19年2月、久しぶりに開幕前の沖縄キャンプで見た久保は、明らかに変化していた。17歳という成長期のせいもあるのだろう。プレースピードが格段にアップしていたのだ。相手のチャージを初速の1歩で振り切ると体を入れてブロックしながら2人、3人といとも簡単に抜いていく。
守備でも体を張るのはもちろんのこと、センスを感じさせるボール奪取能力を発揮していた。
FC東京の右MFとしてレギュラーポジションをつかみ、4月にミャンマーで開催されたAFC(アジアサッカー連盟)U―23選手権予選(東京五輪アジア1次予選)でも、東ティモール戦(6―0)で2ゴールを挙げる活躍を見せた。1点目は30メートル近いFKを直接ズバッと決め、2点目は左からのクロスを意図的に浮かせ、相手マークを巧妙に外してから左足ボレーで決めた。久保は涼しい顔で言った。「ピッチがデコボコだったので浮いているボールならピッチ状態は関係ないと思いました」。このサッカーIQの高さも、久保がスペシャルな選手である証しと言えるだろう。
平成13(2001)年生まれの若者が、森保ジャパンでどんな輝きを放つのか? 令和のエースとして2020年東京五輪でチームを優勝に導けるのか? 期待は膨らむばかり――。