菅野の離脱はチームには痛手だが本人にはむしろプラス
巨人の菅野智之(29)が腰の違和感を訴えて一軍登録を抹消された。
絶対的エースの離脱はチームにとって痛手だろうが、本人にとってはむしろ、プラスに転じるとみている。ここまで、リーグトップタイの5勝を挙げてはいるものの、防御率は4.36。15日の阪神戦で4本塁打を浴びるなど、自己最悪の10失点を喫した。13被本塁打は12球団ワーストと、本来の調子でないのは誰の目にも明らかだった。
原因は疲労だろう。肉体的な疲れはもちろんのこと、より大きいのは精神的な疲弊だと思う。巨人のエースの看板を背負い、今季は1958年の金田正一さん以来となる3年連続の沢村賞を期待される。彼とは定期的に話をする関係だが、会話をしていると「勝ち星で1番、防御率で1番、球威でもコントロールでも1番」とすべてにおいてナンバーワンを目指す志の高さを、言葉の端々に感じさせるのが常だ。当然、そのための準備にも妥協がない。悪いことではもちろんないが、もう少し鷹揚に構えてもいいのにな、と思うことがあった。あまりに追い込み過ぎると、自分で自分にプレッシャーをかけることになってしまい、体より気持ちがしんどくなるぞ、と老婆心ながら忠告したこともあった。