新人を酷使する日本プロ野球 選手の反動と劣化が心配だ
後日、森下を見たというメジャースカウトのひとりに電話で印象を聞くと、こんな答えが返ってきた。
「球威はあるし、素材としては申し分ないが、ストレートの細かいコントロールがない。テークバックで上体がかなり後ろに反り返っているためだろう。それに年間通して長いイニングを投げる体力やスタミナも疑問だ。仮に1年目からいきなり使ったとしても途中でバテるだろうし、疲れてくればコントロールもますます悪化する。体力がないのに無理をさせればケガも心配だ」
日本では高校生ルーキーが早くも一軍で勝利投手になって話題を集めているが、プロ入りして半年程度の新人をいきなりフル回転させれば「即戦力」と言われる大学生だろうと反動が生じる。
例えばDeNAの浜口遥大は1年目に10勝しながら、2年目は左肩の違和感で出遅れて4勝止まり。広島の大瀬良大地も1年目に10勝して新人王を獲得したが、2、3年目はともに3勝だった。
メジャーのスカウトが森下の投球に注目するのは、将来、米国でプレーする可能性があるからだが、楽しみな素材が日本のプロ野球を経ることで劣化しないか心配ではある。