悪夢のW杯から5年…サンパウロの宿周辺はまさかの危険地帯
6月14日 金曜日
「もう帰ってこないんだろうなと思ってました」と岡崎慎司(レスター)が複雑な胸中をのぞかせた2014年ブラジルW杯から5年。2019年コパ・アメリカ参戦のため同国を訪れた若き日本代表とともに筆者も再びサッカー王国の地を踏んだ。5年前はザックジャパンが惨敗し、自身も強盗事件に巻き込まれ、左腕を骨折するという惨事に見舞われただけに、今回こそは「安全第一」に行動しようと空港に降り立った。
13日の夕方。サンパウロは気温27度と汗ばむほどの陽気だった。単独行動のため、現地在住の知人に迎えに来てもらったのだが、宿泊先に選定したエリアがまさかの危険地帯。「セントロならアクセスが便利」と単純に考えて、手ごろなホテルを予約したが、そこは同市最大の浮浪者街。夜は怖くて外出できず、一夜明けて14日の午前中におそるおそる外へ出た。
メトロ・レプブリカ駅周辺は大量のホームレスが荷物を片づけている。幸いにして彼らに襲撃されることはなかったが、スーパーに入ろうとしたらいきなり影から不審者に「マネー」と手を出されて仰天した。少し経ってウーバーでブラジル対ボリビアの開幕戦が行われるモルンビー・スタジアムへ行こうとしたところ、車に乗る手前でパソコンの入ったリュックを別の浮浪者に引っ張られた。5年前にサルバドールで黒人3人組に囲まれ、肩掛けバッグを奪われそうになった悪夢が蘇り、冷や汗をかいた。