「ミネイロンの惨劇」を目の当たりにしたベロオリゾンテへ
ベテラン選手の姿勢が若手選手の刺激に
その後、代表取材に出かけた。練習場はブラジル2部・アメリカFCの本拠地であるエスタディオ・インディペンデンシア。2万3000人超収容のコンパクトな専用スタジアムで、J1クラブにちょうどいい規模感だった。そこで森保一監督が身振り手振りで訓示を行い、選手たちが聞き入っていた。前日の殊勲選手である三好康児(横浜)や久保建英(レアル・マドリード)は直立不動でじっと指揮官の目を見て話を聞く。その様子が大物感を漂わせていた。
試合翌日練習は前日スタメン組がクールダウン、それ以外が負荷の高いトレーニングをするのが常。今回もその流れだったが、ここまで出番なしの伊藤達哉(HSV)ら数人はかなり強度を上げていた。その傍らを川島と岡崎の両ベテランがゆっくり走る。「ハリルホジッチ監督時代にGKも走力アップの練習を課せられたのがきっかけで、練習後に自ら走るようになった」と川島は話したことがある。36歳になった今も最高の状態を作るために努力を重ねている様子が伺えた。
こうしたベテランの姿勢に若手は刺激を受けている。17日のチリ戦(サンパウロ)に先発した19歳の守護神・大迫敬介(広島)はその筆頭。
「永嗣さんは『毎日W杯に出るつもりで練習している』と話していたけど、練習からの意識の高さは凄まじい。それがウルグアイ戦のようなイザという時に出る。代表から1年ブランクがあってあれだけのプレーをするのは簡単じゃない。自分もやらないといけないと強く思いました」と神妙な面持ちで語っていた。
森保監督は「東京五輪世代の学び」を今大会のテーマの1つに掲げているが、狙いはある程度的中している。ただ、それも8強という結果が伴わなければ中途半端に終わってしまう。何としてもエクアドルに勝利して、南米の地での初勝利を挙げること。それが非常に大切だ。