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元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

ウルグアイ戦で2点 三好康児の名は間違いなく世界に轟いた

公開日: 更新日:

6月20日 木曜日

 スアレス(バルセロナ)とカバーニ(PSG)の世界的2トップを擁するウルグアイに果敢に挑んだ20日の日本代表。切り込み隊長になったのが、東京五輪世代のリーダー・三好康児横浜)だった。前半24分の電光石火のドリブル先制弾に始まり、後半13分の2点目と、A代表2戦目の小兵アタッカーの1試合2発は世界を震撼させた。惜しくも宿敵撃破には至らなかったが、日本は2-2で最低限の勝ち点1を確保。8強入りに望みをつないだ。

 ◇  ◇  ◇

 20日のポルトアレグレは朝から快晴。隣国・ウルグアイから空路や陸路で押し寄せたサポーターが町を席巻した。グアイバ川に面した港のエリアにも大勢のウルグアイ人が繰り出し、昼間からビールを飲んで「ウルグアイ」の大合唱。16日の初戦・エクアドル戦(ベロオリゾンテ)を4-0で圧勝している彼らは余裕しゃくしゃくで、「アジアの格下、しかも若手中心のチームに負けるはずがない」と高をくくっていたはず。そんな人々の鼻を明かすべく、森保一監督率いる若き日本にはより一層のサプライズを期待した。

 アレナ・ド・グレミオには3万3492人の観衆が集まったが、8割以上がウルグアイ人。日本にとっては完全アウェー状態だ。それでも今回は36歳の守護神・川島永嗣(ストラスブール)と33歳の点取屋・岡崎慎司(レスター)が揃って先発。キャプテンでボランチを務める柴崎岳(ヘタフェ)を含め、センターラインをロシアW杯経験者が陣取った。

 その安心感は絶大で、日本は序盤から相手を凌駕する勢いを見せる。1トップ・岡崎と2列目の三好、安部裕葵(鹿島)、中島翔哉(アルドゥハイル)の攻撃陣は4人での実戦経験は皆無に近いが、即興とは思えない連携で敵陣を切り裂いていった。

 それが結実したのが三好の先制点。柴崎のサイドチェンジに鋭く反応したレフティは思い切りのいいドリブルから右足を一閃。名手ムスレラ(ガラタサライ)の守るウルグアイゴールをこじ開けた。「相手の攻撃が前に出てきたところでボールを奪えばサイドが空くというイメージを持っていた」という22歳のアタッカーの狙い通りの一撃だった。

 さらに後半13分の2点目は、杉岡大暉(湘南)の左クロスを岡崎がニアでつぶれ、GKが弾いたところに飛び込んだ形。最終的にこれが決勝点になることはなかったが、「三好康児」の名は間違いなく世界に轟いた。

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