大関・貴景勝は欠席 “政治色強め”一門連合稽古の時代錯誤
意味があるのかと言われたら、微妙なところだ。
27日、カド番大関の貴景勝(22)が二所ノ関一門の連合稽古を欠席。まだ相撲は取れず、部屋での稽古に専念した。
今では当たり前のように行われている連合稽古だが、一時期は行っていない一門もあった。そもそも、連合稽古とは何なのか。不参加だと何か不利益はあるのか。
ある古株の親方は「正確な年数などは分からないが」と前置きして、こう話す。
「少なくとも、明治時代にはあった。昔の本場所は今と異なり、一門別対抗戦だったからね。結束もしやすく、他の一門に負けまいと必死になっていた。有名な話では、出羽海一門の『打倒双葉山』。立浪一門の双葉山を倒すため、早大出身で一門きっての頭脳派といわれた笠置山が中心になって、作戦を練っていた。安芸ノ海が双葉山の連勝を69で止めたのも、この対策のおかげといわれている」
しかし、1957年に巡業が協会主導となり、65年に本場所も部屋総当たり戦になると、一門の意義は徐々に薄れていった。もともと寄り合い所帯だった二所ノ関一門も、かつては連合稽古を行っていなかった。