星稜・奥川は評価うなぎ上り 佐々木超えの6球団1位指名も
■人望、目配り、クレバー
奥川に関しては、人間性を評価する声もある。たとえピンチになっても、笑顔をつくって平常心を保とうとする。味方が外野フライを捕ったら、これでもかというくらい大喜びした。準々決勝の仙台育英戦では自ら伝令としてマウンドに向かい、「俺は投げたくないぞ」と言ってチームメートをなごませた。後輩からイジられることもあるし、チームメートのひとりは「奥川が笑えばみんなが笑ってなごむ。そういう空気をつくる男です」と話すなど、人望も厚い。
智弁和歌山戦では、投げることで精いっぱいのはずなのに、四回に3アウトを取ってマウンドからベンチへ帰る途中、打席付近に置かれていた相手打者のバットを拾い、智弁和歌山のボールボーイに手渡していた。
「気配り、目配りができる上に、どういう状況でもきちんと周りが見えている証しです」(前出のセ球団関係者)
クレバーでもある。打者によって投球に強弱をつけるなど、観察眼に長けているし、大会初戦の旭川大高戦後には、「初回に150キロを狙った。球場のファンを味方につければ勢いに乗れると思った」と言ってのけた。