著者のコラム一覧
森山高至建築エコノミスト

1級建築士。1965年生まれ。岡山県井原市出身。岡山県立井原高から早大理工学部建築学科に進学し、88年に卒業。斎藤裕建築研究所を経て、91年に株式会社アルス・ノヴァを設立し、代表に就任。04年に早大政治経済学部大学院経済学修士課程を修了した。建築家として関わった物件は1000件以上。長崎県の大村市協定強建替え基本計画策定など、公共建設物のコンサルティングに携わるほか、マンガの原作などの仕事も手掛ける。主な著書に「非常識な建築業界 『どや建築』という病」がある。

カヌー&ボート会場は最もお粗末…観客席の一部は屋根なし

公開日: 更新日:

 人気も高く競技人口も多いため、世界のアスリートから厳しい評価を受け、デザイン性をもっと発揮しなければならなかった。無骨なコンクリート階段状の観客席の一部には、日陰をつくる屋根すらない。ボート競技という伝統文化への敬意や理解がまったく足りていない結果だろう。

●アスリート目線=12点

 異例の海水のボート会場ということで、選手が淡水との条件の違いを批判している。会場周辺は、臨海というよりも東京湾の沖合。強風の影響による波立ちで、水面のコンディションが大きく変化してしまう。

●周辺との融和性=11点

 公共の交通インフラがまったく整備されておらず、利便性についてはまったくいいところなし。近くにコンテナを集積するコンテナヤードがあるものの、都市便益へ波及しない施設を都市のインフラ機能として輸送用地の足りない場所に計画したことは、都市計画的に矛盾している。=つづく

■総合評価=46点

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