「4番大山」育成より目先の勝利を選ぶ虎・矢野監督の滑稽
こうなると思っていた。阪神は4日、DeNAに延長戦の末、サヨナラ負け。大山悠輔(24)に代わって三塁を守る北條が先制適時打を打つなど活躍したが、最後は筒香の一発に沈んだ。
問題はその大山だ。矢野監督は開幕前、「生え抜きを育てるというのも大きなテーマ」と話し、開幕後は大山を「4番・三塁」で使い続けた。チャンスで打てない4番だと非難の声があっても、「育てるために4番で使っている」と語っていた。
にもかかわらず、8月10日に6番に降格させると、同30日からは、ついにスタメンから外した。
今季はセ・パともにAクラス争いが激しく、4位阪神もまだCS出場の可能性がある。そのため、当初の目的だった「4番育成」を投げ捨て、目先の勝利に飛びついたというわけだ。
大山は現在、打率.259、12本塁打、68打点。この日は延長十回に代打で出場し、右飛だった。矢野監督も、4番に見合うだけの打力がないことは百も承知。それでも我慢して使っていたのは将来のためではなかったのか。仮にどうにか今季Aクラス入りを果たしたところで、阪神が長年抱える真の「生え抜き4番」の誕生は先送りになるだけだ。