攻撃回数上回るも大敗…露呈した“ジェイミーHC流”の限界
前任者のエディー・ジョーンズは「ジャパンウエー」を掲げ、日本的な細かいパスを重ねて、スペースにボールを運ぶ戦い方を貫いた。しかし、今の“ジェイミー流”は、こうした細かいパスよりも、スーパーラグビーで見られるような、長いパスで一気に外側にボールを運んだり、キックを使って速いランナーを走らせるような、ニュージーランド的なスタイルだ。
必然的に細かいプレーがうまい選手よりも、大きくて速い選手が、アタックの担い手として優遇される。
もちろんそれだけでは格上に勝てないから、緻密なパスプレーも織り交ぜボールを運ぶスペースをつくり出そうと試みてはいる。しかし、南ア戦で詰めの甘さを露呈したように、そうしたプレーの担い手を欠くと緻密さが機能しなくなる。
いくら山なりの長いパスを連ねても南ア防御は動じず、日本の外側の選手は、パスを受けた瞬間に南アの巨漢選手たちに取り囲まれた。
ジェイミー流で推奨されたキックも、前半22分には、田村優が自陣から蹴ったキックを、相手に捕られてすれ違われ、一気にトライに結びつけられている。