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永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に近著に「明治大学ラグビー部 勇者の100年」(二見書房)などがある。

ジェイミー流を体現 田村優の双肩にかかるチームの行方

公開日: 更新日:

 紆余曲折を経ながらもジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)率いる日本代表は、1週間後にロシアとW杯開幕戦を戦うところまでたどり着いた。この間、W杯で直接対戦するアイルランドに連敗。オーストラリアやニュージーランドにも大敗し、直前の強化試合でも、南アフリカに7―41と敗れた。サッカーだったら「HC解任」騒ぎが起こってもおかしくはなかったが、ラグビーでは、代表選手がHCを批判することもなく、ジェイミー流を信じて強化に励み続けた。

 現時点で願望を交えずに考えれば、ロシア、サモアに勝てるだけの力は身に付けたと言える。

 しかし、目標の「ベスト8」進出には、アイルランド、スコットランドという強豪を倒さなければならない。現状では五分の勝負を挑む可能性はあると考えられるが、〈対等に戦うこと〉と〈勝つこと〉はまた別問題だ。

 その意味で日本のカギを握るのが、背番号10を背負う田村優だ。

■相性はバッチリ

 田村は、中学時代までサッカーに打ち込んでいてキックがうまく、同時にスペースを見抜く能力も高い。パスだけではなく、ときには自らランを仕掛ける才覚も持っている。エディー・ジョーンズ体制では2番手扱いだったが、途中出場した4年前の南アフリカ戦では終盤の逆転劇直前、南アが反則を犯してアドバンテージが出たら、キックパスでトライを狙うとメンバーに伝えている。あの土壇場でキックパスを使おうという発想が、ジェイミー流との相性の良さに通じている。

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