マラソン札幌移転の混乱は運営を託された日本陸連の落ち度
喧嘩するならまだ知っておくことがある。
マラソンはオリンピックの華ではない――女子マラソンを単独開催したり、マラソンをテレビ観戦するのは日本独特の文化。数々のドラマは不本意な条件で走る不条理ゆえの悲劇で、金栗四三の場合もそうだった。
やはり過酷なレースの競歩は“完歩の美学”ではなく“歩形の美学”――もともと室内の観戦競技でコースも1キロあればよく、むしろ必要なのは観客。北海道マラソンは北大のポプラ並木を通るから、競歩も使えばいいコースが造れると思う。
■心配なのはテニス
マラソンは場所を移せるからまだいい。心配なのは運動量が激しく、試合も2時間を超すテニスだ。
男女の単複に加えミックスダブルスもある。先に来日したジョコビッチは運営の難しさを案じていたが、会場の有明には屋根付きコートが1面だけ、しかも国内には他に会場がない。ジョコビッチ、フェデラー、ナダル、セリーナ・ウィリアムズ……スーパースターをどうもてなすのか。かつてナダルが来日した時、協会関係者はこんな名言を吐いてくれた。