東京五輪崩壊 マラソン・競歩以外に変更すべき競技はある
マラソンと競歩で「終わり」なのか。
2020年東京五輪のマラソンと競歩の札幌開催について協議する国際オリンピック委員会(IOC)の調整委員会が30日から始まった。コーツ委員長は会議冒頭の挨拶で、「16日のIOC理事会でマラソン・競歩の札幌開催は決まった」と発言。東京都の小池百合子知事は「東京都に詳しい説明、議論もないままで、極めて異例の事態ととらえている」と述べ、納得できる説明を求めた。
だがしかし、今回の開催地移転の話はマラソンと競歩で終わるとは限らない。
コーツ委員長は25日の小池知事との会談で「マラソンと競歩以外にも暑さ対策に課題が残る競技があり、開始時間の変更を検討する必要がある」と語っていたという。1日まで行われる調整委員会では、さらに開催地や会場移転、競技の開始時間変更も議題になるとみられている。こうなると、真夏の東京で五輪を開催すること自体、無理があると言っているようなものだ。
■馬はヘロヘロ、海はトイレ臭
実際、多くの競技が五輪本番に向けて8月にテスト大会を実施。暑さに関するいくつもの問題が浮き彫りになった。
総合馬術(12~14日=海の森クロスカントリーコース)は、本番の競技時間(午前8時30分~11時10分)を想定し午前10時に開始。気温30度以上、湿度も80%以上という過酷な条件で人はもちろん、暑さに弱い馬もヘロヘロ。開始時間を早朝に前倒しするよう求める声が多数出た。
トライアスロン(15~18日)と水泳オープンウオーター(11日)の会場となるお台場海浜公園は、トライアスロンの選手から東京湾の水が「トイレ臭い」という声が上がり、テスト大会前日の水質検査では、基準の2倍を超える大腸菌が検出された。よって、スイムは中止となり、ランとバイクのみのデュアスロンとなった。