酷暑の東京五輪マラソンは選手もボランティアも“命懸け”
9月に入り、秋の気配を感じるようになってきたが、あの酷暑を忘れてはならない。
東京五輪マラソンの代表選考会(MGC)が今月15日(男子8時50分、女子9時10分スタート)に行われる。本番1年前の同じ日時(女子8月2日、男子9日6時)に走れば、代表になった選手も得るものは多い。大会運営の面でも数々の課題が見えてくるので、本番の準備に生かせるメリットがある。
しかし、MGCはお彼岸直前。8月初旬より日差しはかなり弱いはずだ。参加選手も男子31人、女子12人という少人数。五輪とほぼ同じコースを走るとはいっても、スタート時間も本番より約3時間も遅く、150人以上が出場するオリンピックレースとはまったく異なる。
ある陸上関係者は、「だから、男女とも五輪のマラソンは当日が心配なんです」と言って、こう続ける。
「暑さ対策のために、アスファルトの温度を下げる遮熱性舗装は、日差しが強いと逆効果という報道があった。アスファルトの温度が下がったとしてもですよ、気温30度前後、湿度も70%以上という過酷な条件では、途中棄権が続出するのは避けられない。その数はリオ(男15人、女23人)の倍以上になることも考えられる。