西武・秋山 海外FA行使にいかんともし難い「30歳」の壁
海外FAでメジャー挑戦する秋山翔吾(31・西武)に需要があるのは間違いない。すでに外野が埋まっているわたしの球団はともかく、中堅手が補強ポイントの球団が少なくないからだ。
是が非でも欲しい球団でも「2年10億円」が精いっぱい、3年目は球団側のオプションだろうと以前コラムで書いた。
長打力や肩の強さに疑問があるうえ、打席で淡泊な点が気になる。三振数が多いのだ。似たタイプでメジャー挑戦した青木(現ヤクルト)の前年までの三振数が47、65、61、55だったのに対し、秋山は103、97、96、108とほぼ倍近い。
加えて致命的なマイナスは年齢だ。秋山がシーズンを迎えるのは32歳。ごく一部のスーパースターを除き、メジャーは30歳を過ぎた選手に対してシビアなのだ。
昨オフ、クオリファイング・オファー(約19億3000万円)を蹴ってアストロズからFAになったサイ・ヤング賞左腕カイクル(31)は、今季開幕後も移籍先が決まらず、6月に約14億円でブレーブス入り。同様の金額を拒否してレッドソックスからFAになった4年連続セーブ王のキンブレル(31)も、6月になってようやくカブスへ移籍。金額は3年総額4300万ドル(年平均約15億5000万円)。カイクル同様、FAになったがゆえに結果としてクオリファイング・オファーを下回る金額しか手にすることができなかった。30歳を過ぎたとたん、メジャーを代表する投手ですら買いたたかれるのが現状だ。