今年もボストンで初めて勝った田中茂樹、アベベの記録を破った重松森雄、寺沢徹、君原健二ら往年の名選手が顔をそろえていた。ただ、この集いは、いつもホテルの片隅で、会費持ち寄りでほそぼそと開かれ、誰も知らない。
しかし、これら先達がいたからマラソン大国になったのではないのか。彼らがいたから1億円ももらえ、増田明美や瀬古利彦は認知され、「いだてん」も大河ドラマになったのだろう。いまのマラソンの不振はケニアのせいではない。陸上界に先達への敬意、感謝がなく夢がないからだ。
モタは奈良マラソンの10キロを38分6秒で走ったと喜んでいた。61歳でまだ練習している。